ロービジョンケア
ロービジョンケアについて
当院では、ロービジョンケアを積極的に行っています。
ところで、みなさんはロービジョンケアをご存知ですか。ほとんどの方が初めて聞いた言葉かもしれませんね。
これから、少しお話させてください。
ロービジョンの意味は?
まず、ロービジョンという言葉の意味についてお話します。
日本語では低視機能と訳します。
この低視機能には、視力が低下して見えなくなったということ以外に、視野が狭くて物にぶつかるとか、まぶしくて見えないとか、コントラストが低下して物の区別がつきにくいとか、いろいろな目の機能低下が含まれます。
ロービジョンは、『日常生活に不自由を感じる、あるいはやりたいことができない目の状態』のことを言います。ですから、ロービジョン者と言っても、人それぞれ目の状態は違うのです。
これは、ケアにとって非常に大事です。
このロービジョンの患者さんをケアすることをロービジョンケアと言います。
ロービジョンケアは具体的に何をするのでしょうか?
ロービジョンの患者さんが困っていることを解決することがロービジョンケアです。
ロービジョンケアは目をよくするケアではありません。
ここで、注意していただきたいのは、ロービジョンケアは視力0,1の人が1,0になるような視力を良くするケアではないということです。
じゃあ、役に立たないと思われるかもしれません。でも違います。
目の悪い患者さんにとって、治療と同じくらい有用で重要な方法です。
ロービジョンケアはできないことをできるようにすることです。
例えば、新聞が読めなくなった場合を考えてみましょう。原因を調べます。
白内障のように病気があれば治療して治します。
それで、視力が回復すれば新聞は読めるようになります。
でも、病気が治らなかったり、病気は治っても視力が回復しなかった場合どうでしょう。
そのままでは新聞は読めないでしょう。この患者さんの状態がロービジョンです。
この時、新聞を拡大コピーしたり、ルーペで字を拡大すると新聞が読めるかもしれません。字を拡大しても読めないこともあります。
もっと字を拡大できるように拡大読書器を使う方法もあります。
新聞をスキャンして音読器械で読むこともできます。
また、誰かに代読してもらう方法もあります。このように、新聞に書いてある情報を知る方法はいろいろあります。
この中で患者さんにあったものを選ぶ。
これがロービジョンケアです。
ロービジョン患者さんが困っていることを解決することがロービジョンケアです。
ロービジョンケアのの具体的な方法にはどんなものがありますか。
ここでは、目の症状とその解決方法について簡単にお話しましょう。
1、字が小さくて読めない。
・字を拡大コピーする。
・字をルーペ(虫眼鏡)で拡大する。
・字を拡大読書器で拡大する。
・読む器械(音読器械)を使って読む
・人に代読してもらう。 など
2、まぶしくて、見えにくい。
・遮光眼鏡をかける。
3、視野が狭くて、ものが見つけにくい。
・凹面ルーペを使用する。:像が縮小して視野が広がる。
4、伝票や手紙に記入する時に場所がわからなくて書けない。
・書く場所がわかるようにタイポスコープを使う。 など
私たちは見えなくて困っている皆さんの日常生活が少しでも快適になるように、見えなくて出来なくなったことを少しでも出来るようにお手伝いしたいと思っています。
お気軽にスタッフにご相談ください。ロービジョンケアは全てを解決する魔法の治療ではありませんが、一つ一つ困っていることを解決することで、皆様の日常生活の質をあげていけると信じています。